ニコ技深圳観察会・参加記[2] 深圳の価値を誤解しちゃイカン

深圳市に巨大な電子機器工場が集中しスマホなどが量産されているのは皆ご存知だろうけれど、今回見てきたのはそれとは異なる側面。

最初に言っちゃうと、海外企業からの製造委託で安価に量産できるという価値だけだと、今後人件費が上がったらアウトだから「自分らで発明するしかない!」ということに気づいているという話。そして具体的に深圳市政府も多くの支援をしているのだ。

なおここにご紹介しているのは普通の企業や組織なので、ちゃんとしたビジネスをしたいならともかく、個人が興味本位で見学とかするのはそれなりに迷惑となりうる点は、一応伝えておく。いや、見学と称してアポすら取らずにフラッと着ちゃう日本人がいるらしいんすよ。

【Seeed】
https://www.seeedstudio.com/

・激安プリント基板作成サービスの「Fusion PCB」で有名

ちょっと前まで「Seeed Studio」という社名で、日本では「Fusion PCB」というプリント基板の激安作成サービスで有名。ネット経由で発注すると、最小構成で10枚US$ 9.9なのだ。

プリント基板(PCB=Printed Circuit Board)っていうのはそもそも砲弾の近接信管(命中しなくても近づくだけで爆発する)用に使われたのが最初だそうで、大砲発車時のGに耐えるにはこれしかなかったらしい。その後、印刷と同様の技術で製造できることから量産品用途に広く使われてきた。昔はラジオ雑誌にプリント基板パターン用のフィルムがオマケについてきたりしてて、僕もよく現像・エッチングしてプリント基板を作っていた。いまにして思うと小学生が塩化第二鉄水溶液とか扱っていいのかって話もあるけど、それなりにきっちり管理はできていた。

で、近年になって回路設計やプリント基板のアートワーク設計ができる優秀なCADも広まり、アマチュアの趣味でもプロの試作でも、プリント基板を作ってしまおうということへのハードルは下がっている。とはいえ日本企業ではたいてい数万円はかかるので、それが$9.9+送料とかで作れてしまうのはやっぱり驚きなのだ。

実際、試作だからとブレッドボードや蛇の目基板で手配線してゆくのは結構大変。だから基板が数千円で作れちゃうのなら、とりあえず発注して作ってみて、ダメだったら修正してまた作ればいいや、という流れにもしうる。

・もちろんプリント基板作るだけじゃない

Seeedではプリント基板を作るだけじゃなくて、それに部品を載せて製造もしてくれる。部品も売ってくれる。さらにその製品をプロモーションしたり、販売のお手伝いもしてくれる。また発注したプリント基板は権利をオープンにすることもでき、それで他の人が改良版をつくったりもできる。

実はこのあたりがSeeedの狙っている部分なようで、ひとことで言うとオープンイノベーション的なことがSeeedというプラットフォーム上で実現してしまう状況を想定しているようだ。実際、Seeedのサイトをみると楽しそうなボードが多々あるし、同社としてKickstarterに出してる製品もある。

今回訪問した「Agile Manufacturing Center」は、小ロット多品種を超短納期で生産する流れを持った工場。「小ロット」という言葉だけではその質が伝わりにくいが、要は「高単価」ということでもある。日本から見れば十分安いSeeedの製造コストも、深圳の他の工場がやってるような大量生産と比較すると高単価となるので、それに見合った価値を付与しないとビジネスは成り立たないということ。


日本で電子工作系のモノづくりをやってくと、必ずSeeedに何か注文するようなことが発生しそうで、今後何かとお世話になりそう。

【景豊電子】
Seeedのプリント基板製造委託先のひとつ。この規模の工場となると、深圳ではそこそこ郊外にしか作るスペースがない模様。工場はもっと怖い感じを予測したが、それなりに整理整頓されている印象だった。

小学生の頃にサンハヤトのキットでPCBのエッチングをした僕としては、なかなか印象深い光景であった。

プリント基板は当然ながらかなりの量を一気に量産しているので、逆に最低10枚というロット設定ができていることに驚く。

【NXROBO】
「Big-i」というファミリーロボットを開発している、創業たった1年のスタートアップ。

このロボット、音声コマンドで「もし〜なら◯◯して」という、いわば音声プログラミングができる点が面白い。ちなみに深圳にはルンバのパチモノが多数あり、どうもそれをベースに上にPCを乗っけたような構造のようだ。なお搭載しているのは普通のIntel CPUが乗ったPCで、Linux系OSを利用しているとのこと。音声認識や顔認識をしているわけだが、その中にはローカルで動作しているものもあるそうで、このロボットに限らず基礎技術的な意味としても興味深い。


【SZOIL】
深圳市の香港との境界近辺は、かつては「香港の豊かな生活を見せないように」と立ち入り禁止エリアになっていたが、いまはそのあたりを保税エリアにしている。そんなエリアにある「Shenzhen Open Innovation Lab」は、MITに認定された深圳初のFablab。ここはがっつり深圳市の予算が割かれているようだが、ここの成り立ちや設立者の裏話的なことを聞くと、国として強力なサポートがあることが感じ取れる。

にしてもさ、モノづくりの街とかいう看板を掲げている日本の地方都市は、もっと「Open Innovation」と言ってみる必要はあるんじゃないかな。この点が日本に足りない部分に思えるので。

【Chaihuo Makerspace】
深圳の超オシャレゾーン「華僑城創意文化園」にある、Seeed社が運営するメイカースペース。このエリアはもともと昔からある工業地帯だったのだが、その役割を終えたところから政府によりアートとクリエイターの街に切り替えたのだ。

オリジナリティあふれるTシャツや雑貨などを売る店が多数あり、オシャレな飲食店も多く、そしてどうやら住居もあるようで、アート系活動を過小評価する日本社会からすると実に羨ましい「クリエイター村」なのだ。そして、そこにメイカースペースを作ったことに大きな意義がある。

建物は日本の古い団地みたいなスタイルなのだが、建物間を渡り廊下で連結したり、木でスロープを作ったり木を植えたりで殺風景さを消している。道行く人も若くてオシャレな人が多く、中国にいることを忘れさせる。いや、そうではなくこれがいまの中国なのかもしれない。

【Makeblock】
LEGO Mindstormsのように部品を組み合わせて工作ができるものなのだが、アルミをネジ止めする形なので堅牢性が高く、実用的なモノが作れるのだ。実際、これで作った3Dプリンタも稼働していた。

Makeblock自体は一昨年のMaker Faire Tokyoにも出ていたし日本でもそれなりの知名度があるが、世界的に教材としてバカ売れしているようで、会社として急速に成長している。

で、実は今年(2016年)のMaker Faire Tokyoには出展しなかった。それってもしかして日本見限られてる?

【JENESIS】
日本人の藤岡淳一さんが経営されている電子機器製造請負の工場。製造した製品は全数検査しエージングもしてと、とにかく徹底的に品質を上げている。キングジムや日本交通の資本が入っているという点は、製造拠点としての期待のあらわれか。

同社は様々な媒体で取り上げられているので詳細はそちらをみてほしいが、日本でそれなりの予算規模があるハードウェアのプロジェクト受注したら、ここに頼ればいいのかって思えるというありがたい存在の会社。

藤岡社長のお話しはとても面白かったが、断片的に書いて誤解を生じてもアレなのでここでは省略。ただ、今後深圳市の人件費が高騰したとしても、電子部品入手において世界最高のサプライチェーンを築いている強みは大きく、今後も電子機器製造においては深圳の優位性は続くであろう、とのお話しも頂いた。

そういえば自転車業界の方が「自転車を台湾で作ると中国本土よりコストかかるが、あらゆる部品が揃うのでいまだに台湾が優位」と言っておられたのを思い出した。まさにエコ・システム(生態系)を築くことが大事ということか。その意味で日本の大企業は下請けを値切っていじめてデータ盗んでまるごと中国に抜け駆け依頼して、とかいうことやってると国ごと沈むよ、という話。もう沈んでるけどさ。

ちなみに深圳市の最低給与は2,080元/月で、寮と食事を付けて給与も色を付けているが、なかなか人員集めには苦労されているそうで。なんせ旧正月に帰省したらそのまま戻ってこないなんてザラな国なので。生産工程をそれなりに効率化すると、実は現場にとってはサボれないぶん疲れるので、ある程度給与は上乗せしているとのこと。

僕も自分の製品はぜひ藤岡さんの会社に製造委託したいと思うし、できればインターンとしてラインに入って製造の経験をしたいくらい。モノづくりに愛着があると、どうしたって現場作業に憧れちゃうので。

【HAX】
かつては「Haxlr8r(ハクセラレータ)」という名だった、VCとメイカースペースがあわさったような場。深圳の製造力とシリコンバレーの資本が手を組んだというわけ。

HAXからの出資を受けるにはまず製品が素晴らしく革新的であることが大事で、審査通過のハードルはかなり高い。そして審査に通った世界中のハードウェアスタートアップが深圳のオフィスに集まり、111日間という期限を区切って完成までこぎつけ販売する、という流れを作っている。

のワンボード・マイコン「C.H.I.P.」や卓上ウオータージェットカッター「Wazer」などKickstarterで有名になった製品には、実はHAXが支援しているものが多い。逆にいうとKickstarterでみかけた革新的製品がホントに実現するかどうかのひとつの指標として「HAXが支援してるなら大丈夫」と考えられる。

HAXに応募する日本人はほとんどいないそうなので、皆さんぜひチャレンジしましょう。

【SEG Makerspace】
電気街華強北のパーツ屋ビル上階にあるメイカースペース。ここはひと席1,000元/月でスペースが借りられるほか、優れた製品には数百万円規模の支援も得られる。

中でも韓国のメイカーが作っている泳ぐ魚ロボットのスムースな動きには驚いたっす。

なお今回訪問先のうち、住所公開して差し支えないものを地図上にピン立てしたのが下図。誤差がある前提でみてほしい。なお深圳はかなり広いので市内の移動は時間がかかることを計算しておく必要がある。

ニコ技深圳観察会・参加記[1] 概要と深圳電気街

■いま深圳がなんだかアツイ

香港のお隣り深圳といえばスマホなど最新の電子機器を大量生産する工場がいっぱいある街だけど、近年それとは違う方向での発展が漏れ伝わってきている。その方向性は僕が手がけようとしてる事業と密接な関係あるので、行ってきましたよ深圳に。

Maker界隈では超有名人なチームラボの高須正和さんが年に数回「ニコ技深圳観察会」と銘打って完全ボランティアでツアーを開催してくださっている。僕も昨年参加申し込みしていながら仕事で行けなかったのだが、今回は各方面のサポートもあり、時間確保できたのだ。

チームラボの高須さんは、Makerコミュニティの発展のためにハブ役を担ってくださり、さまざまな手配を快くこなして頂いてもう感謝してもしきれないくらい。実りある時間を過ごさせて頂いた。


Maker Faire Tokyoなどで猫耳のお姿をみたことある人は多いと思う。高須さんはシンガポールや深圳のMaker Faireにおいては運営側という立場で、この業界に不可欠な存在として特にアジアのMaker界隈では知らない人はいない方で、いろいろなことに気遣いを回してくださる本当のナイスガイです。

深圳の動向やメイカームーブメントに関心のある方は、ぜひとも高須さんの著書をご一読されることを強くお勧めする。

・「メイカーズのエコシステム」
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B01AXRCDTU/

■深圳の電気街「華強北」(ふぁーじゃんぺい)

この場所をひとことで言うと「アキバのヨドバシみたいな巨大な建物に小さなパーツショップがびっちり入ってて、それが10フロアとかあるビルが10個以上連なってる」ような場所。

ここを「深圳の秋葉原」と称する向きもあるが、まず家電はほぼ売ってないし、パーツショップにおいても秋葉原とはかなり性格が異なる。その意味で「秋葉原は負けている」という評価はまったく当たらなくて、とにかく性格が異なるのだ。うまく活用するには、その辺をちゃんと知っておこう。

40年前、小学生の頃からアキバに通って電子工作してた僕としては無条件にワクワクな場所なわけだが、ここで扱われてる品目別に電気街としての特徴をまとめてみる。

ただしこの電気街はあまりに巨大なので、回った場所により各自感想に差異が出るものなので、以下はあくまで僕の印象として読み取ってほしい。

【山寨携帯】
「山寨」とは山賊の住むような場という語で、転じて「パチモン」的な意味合い。違法コピーソフトを「海賊版」と呼ぶが、ハードのほうは山賊なのだ。

深圳には、海外から委託を受けてスマホを量産する工場が大量にあるわけだが、10万台受注したらこっそり11万台作って余った分横流し、なんてことが行われている。また、有名製品のパチモンももちろんある。

という意味では安くて怪しい製品なのだが、たとえばiPhoneを模した小型携帯など、機構的にはオリジナルなものもある。外見はiPhoneっぽいのにAndroid機だったりね。

このあたりは商標的に問題ある製品も多いが、一方で彼らの技術力の高さを示すものでもある。

なお小型の携帯はディスプレイに「4G」とあってもそれウソでGSM機なことも多いので注意。「GSMって何?」という方はここで買い物しちゃダメ。

【中古iPhone】
仕様が公開されてるAndroidと異なり、iPhoneは基本的に正規品しかない。CPUもいわゆる「SoC(System-on-a-Chip)」と呼ばれる専用品だから、原則パチモンは作れないのだ。しかし彼らはそれで諦めるようなヤワじゃない。

世界中から壊れたiPhoneを大量に集め、徹底的にバラして組み直している。ケースや液晶パネルなどは偽造できるし電池も入手できるから、マザーボードさえあればなんとかなるのだ。

中身が本物でも外装が偽造品だとパチモンには違いないので安くても買ってはダメだが、その根性には敬服する。

華強北の中にもこうした再利用パーツを取引するマーケットがあり、そこは周囲とは違った怪しさ満載であった。その場所を教えてくださった高須さんも「ここだけは写真撮っちゃダメです」と注意喚起するレベル。

【携帯アクセサリ】
いま華強北で最もビジネスが盛んなカテゴリ。ケースや保護フィルム、モバイルバッテリー、外付メモリなどのお店が数百というレベルで存在する。

これらの店は基本は問屋だが、1つでも売ってはくれる。モバイルバッテリーなどはケースを選び、電池のランクを選ぶとその場で俺専用な感じで組み立ててくれる、そんな感じだ。

【ドローン】
深圳といえば、いまや世界的ブランドとなったDJIもあるが、街中にはそれよりはショボいものの様々なドローンが売ってる。大勢が行き交う繁華街でガンガン飛ばしてるのだが、公安の見回りが来ると慌てて降ろしてるのが笑える。

基本どれも技適は通ってないので、日本で電波出すと違法になる点には気を付けよう。

日本でも一部に愛好者がいる「FPV(First Person View)」用のアナログ動画送受信機も売っている。レースにおいてはデジタル映像では遅延があるため、アナログ伝送するのだ。日本ではアマチュア無線資格保持者が回路図を申請して使えるので、これは合法になる。

【LED】
華強北の中心的ビルでフードコートが便利な「華強珠宝世界」の上層階は、LEDの専門店街になっている。主流は店舗などの装飾に使うテープ状のLEDストリップ。

秋葉原にもこれの専門店があるが、深圳ならずっと安く買える。ただしLEDの制御というのは一般の人が考えるよりはずっと複雑な点には留意しよう。

たとえば100個のLEDを光が走るように制御したいとする。そのために101本の線を配線するのは不可能だし、そんな数のI/Oを持ったボードなんて存在しない。

そこですべてのLEDに制御用ICをつなげて、電源含め3本ないし4本の線で並列につないで制御するのだ。となると制御ICの仕様を知っておく必要があるが、この手ではお馴染みの「WS2812」と呼ばれる8pinのICを深圳でも見かけたので、これなら自前でのArduinoなどでの制御もなんとかなる。

LED屋さんでは専用のコントローラや電源を用意しているが、これらの組み合わせ方法や必要な容量の計算には一定のノウハウは必要ではある。

なお電子工作界のクイーン的存在なLady Ada率いるAdafruitsでは「NeoPixel」と呼ばれるLEDシリアル制御の規格品を売っていてサンプルアプリも多数あるが、僕が深圳を回った限りにおいてはNeoPixelを知ってる店員すらいなかった。

【LSIなどの半導体】
どこかから抜いてきたiPhoneのSoCを売る怪しい店もあるが、世に出回っている一般的なICやトランジスタはおおむね入手できそう。

ただし秋月電子のように名前と価格を表示してスペックシートとともに売ってるとかではなく、リールなりレールなりに無造作に入ってるだけなので、単発の自作のための買い物はたぶん無理。

電気街の裏通りビルにはこうしたICの商社がお店を並べているが、そこはもはやコンシューマ向けではなく完全なプロの領域。普通の商社が、中国的慣習の元でオープンな事務所を構えてるに過ぎない。

実はICにもパチモンが横行している。たとえばUSBシリアル変換のPL-2303というポピュラーなICも模造品が多く、最新のドライバではこれをハネる仕組みがあったりするので、安くてもうっかり買えないのだ。

趣味レベルの電子工作では、秋月電子やAitendoで買う方が無駄がないっす。

【抵抗・コンデンサなど】
基本的な受動素子を扱う店も多く、これらはまさに20年前のラジオデパート的だが、1個2個の商売ではないので活用は難しいかも。

【PCパーツ】
秋葉原や香港のシャムスイポーは「電気街」であり「電脳街」でもあるが、華強北にはPCパーツの店は割と少ない。もちろん一通り手には入るが、1つの店でまとめ買いなんてのは無理で、割と苦労はする。

【コネクタ・ケーブル類】
これは本当にたくさんあり、オーダーメイドも可能。ただしHDMIはあるけどBNCはほとんど見当たらないというように、あくまでコンシューマ用途が中心。

【その他プロ向けパーツ】
ラックや液晶マウントなどのプロ仕様なお店も数は多くないが存在し、基本は工場と直結してるので話は早そう。ただし信頼に値する取引先を開拓するのは骨の折れる仕事ではある。もちろん、探せばなんでも手に入る感はある。

■華強北活用法

そんな感じで、観光客でも気軽に利用でき面白製品のお店を回るぶんには楽しいが、パーツショップについては活用するのは割と難しい。

サーボやロボットパーツ、Arduino互換ボードなどは1日歩き回ってやっと発見したというレベルなので、このカテゴリの部品をAliexpressなどで発見してもっと安く買おう、なんて気持ちで訪れても成果を得るのは難しい。素直にサイトで頼んだほうがいい。

なお中国は部品の輸入にはとんでもなく手間がかかるので、電子機器の製造に使う部品は基本的に国内で入手できる。というか、部品入手において世界最強のサプライチェーンが存在するのが深圳の強みであり、これにより企業は他に移転したくてもできないという状況。

■中国的ファミリービジネス?

中国にはこのほかに、浙江省の義烏(イーウー)という、100円ショップで扱うような雑貨の問屋が数万件集まってる恐ろしい街もある。

僕も数年前に訪れたが、ここで買付して商売は十分できそうな、そんな街だった。

笑えるのは世界各国の土産物を売る問屋があり、アフリカなどから買付に来てること。民芸品的なものも、地域によってはなかなか上手には作れないそうで、器用で商売上手な中国人が作ってるというわけだ。

そして華強北にしても義烏にしても、子供がそこいら走り回ってる。特にプロ向けゾーンでは台車で遊んだり、スロープを段ボールで滑ったりの微笑ましい光景が繰り広げられる。

いくら中国でも勤め人はそうは子供を職場に連れてこれないだろうから、たぶんファミリービジネスが主体なのだろう(あくまで推測)。

■深圳に行こう!

華強北を訪れるなら、ニコ技深圳ツアーに参加された方のブログであらかじめ街の概要と立地を調べておこう。

基本は会社なので土日は休みな店も多く、旧正月は完全に止まる。朝は9:30くらいから店によっては12時開店とかで、夕方は18:30位で閉まる。

そんな感じなのでまる1日では消化不良になるから、2〜3日かけてのんびり把握するくらいの気持ちでいよう。そして面白いもの見つけたら即買いが原則。なんせ同じとこに戻ってこれる保証はないのだから。

宿もぜひ華強北エリアに取ろう。僕が利用した以下のホテルは1泊7,000円程で、電気街に接してる便利な場所だった。

http://jp.hotels.com/hotel/details.html?hotelId=371823

深圳は地下鉄もよくできており回りやすい街だが、hotels.comやGoogleマップのポイントは基本全部ウソだと思ったほうがいいので、なるべく道に迷わないよう頑張ろう。

また、余分な買い物しちゃった場合は街中に多々ある発送業者から日本に送ることができる。料金は中身により様々だが、ある人が7kgの家電品をFeDexで日本に送ったら6,000円程だった。

中国では郵便局で扱うEMS便が比較的安価ではあるので、次回は試してみようかとは思うが、ビジネス用途ならちゃんとした輸送手段を確保する必要はある。

■ニコ技深圳ツアー

このツアーは現地集合・現地解散、完全自己責任と高須さんのボランティア行動により成り立っている。

自分で飛行機と宿を手配し集合場所に行くのは別段難しくはないとは思うが、その辺が自力でできない方は、間違っても教えてクン的に問い合わせはしないでほしい。深圳は近代的な都会なので、自力で普通に動けるが、海外旅行にパックツアーを利用するような人だとそれでも難しいかもしれない。

実際、今回のツアーで訪れた某社は、変な日本人がノーアポで訪問してきて業務の邪魔となるため、住所を非公開にしてしまった。

英文で一言アポを取るということを何故しないのかわからないが、とにかくそんな感じなのでお察しください。

華強北を始めとした深圳のレポは、過去のニコ技深圳ツアー参加者の方がクオリテイの高い投稿をされているのでぜひ読んでみてほしい。

それとは別にアフィリエイト目的のようなサイトや、一部の素人Webメディアは割とデタラメな記事を書いてるので、読み手としてのネットリテラシーを駆使して情報の取捨選択はちゃんとしておこう。

今回、多くのMaker関連企業を訪問したので、追って書ける範囲の話は追加してゆく。

持ち運びもOKのWindows8.1スティックPC「インテル(R) Compute Stick」

インテルがかねてから発表していたスティック型パソコン「Compute Stick」が、いよいよ2015年4月下旬より発売される。価格は22,140円。

WindowsのOSだけ買ってもうっかりするとこのくらいかかること考えると、とてもお得だ。そして面白い使い方がいろいろ考えられる

なのぼ〜どAGにarduinoスケッチを書き込む

【メモ】

・なのぼ〜どAGにarduinoスケッチを書き込むには、このページ下のほうの手順が必要
http://tiisai.dip.jp/?p=2520

これでセンサ付きarduinoとして使えるんだけど、このままではScratchが使えなくなる。その場合は以下のスケッチを書き込めばOK。

http://tiisai.dip.jp/wordpress/wp-content/uploads/NanoBoardAGWithMotorTrio_diag_sonerm41.zip

ということで、ああ時間あったら遊ぶのになあと思いつつ、正月に余裕作るべくいま頑張っておこうっと。

※私はMaverickのMacを使ってるけど、USBのドライバによってはScratchも不調でarduinoスケッチ書き込みもエラーになる。以下ならうまくいった。

http://www.xbsd.nl/2011/07/pl2303-serial-usb-on-osx-lion.html

なのぼ〜どAG―ちっちゃいものくらぶ

子供から大人まで、プログラミングを学ぶのに最適なScratch言語で、さらにセンサーとモーターを動かすためのボードが、キット1,500円で売っている。

先日のMaker Faire Tokyoでも売ってたアレだ。
・なのぼ〜どAG―ちっちゃいものくらぶ
http://tiisai.dip.jp/?page_id=935

部品代考えても超安いので、ちっちゃいものくらぶさんにはいつも頭が下がる思い。部品点数はさほど多くないので、気軽に作れる。僕のようなハンダ付け中毒者にはいいネタだ。

ところでその際のScratchだが、最新の2.0はなのぼ〜どAG用のimageに未対応みたいなので、1.4を使うことになる。

しかしこれが、うちのMacOS 10.9(Mavericks)だとカラーサークル出て100%フリーズしてしまう。タイミング的にScratchがボードを認識しにいくところのようだ。いろいろいじってみたが、うまくいかない。笑えるのは、その後なぜだかMacのキーボードが効かなくなること。どの程度再現するのかはわからないけど、MacをMavericksにした人は気をつけたほうがいいかも。あと、なのぼ〜どAGを使った講座ではMavericks Macを持ってくのはリスクあるかもしれない。いまのところ解決策みつかってなくて、しょうがないので10.6(Snow Leopard)マシンを引っ張りだして使っている。

なんと、@tomonnn1 さんから教えて頂いて、ドライバを下記のにしたらすべて解決!

http://www.xbsd.nl/2011/07/pl2303-serial-usb-on-osx-lion.html

前のドライバ外し方わからなかったのでそのままだけど、コンフリクトはしてないみたい。

あと、Scratch落としてからなのぼ外す、を守ることかな。Scratchでハードウェア制御するのは、いろいろ楽しいね。子供たちも、Scratchでゲーム作っても一般のゲームソフト見慣れてるのであんまり感動してくれないようなのだが、ハードウェア制御なら楽しんでくれるかな。




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